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『魔法使いのハーブティー』に重版がかかったので執筆秘話など書いてみる



『魔法使いのハーブティー』重版出来!!

約十年前の作品が今でも愛されていることに感謝です!

今回は感謝の意を込めて作成秘話、物語に出てくる「先生」のモデルについてお話しいたします。私がカルチャーセンターで講師をしている「小説講座」でもちらりと話したのですが、魅力的なキャラクターの作り方の参考にもなると思います。


 先生のモデルは私の大好きなアニメ『Tiger&Bunny』の鏑木・T・虎徹です。たぶん多くの人が「どこがっ!」と思ったでしょう。穏やかでのほほんとしている先生。虎徹は熱血漢でちょっとむさ苦しいキャラクター。年齢ぐらいしか共通点がないのでは? と、思うでしょう。虎徹は作品の中でも人気の高いキャラクターです。どこに魅力を感じているかは人それぞれかと思いますが、多分多くの人が感じている彼の魅力の一つは父性愛に溢れるところだと思います。我が子(一人娘有り)に対する愛はもちろん、子どもに対する愛情がとても深いのです。例え犯罪者でも相手が子どもだと、まず彼の安全を優先するところなど、とにかく「優しい保護者」キャラクターなのです。後輩にあたるヒーローに、成績が抜かれてイヤミを言われたりしても、虎徹にとっては守るべき子ども(未成年のヒーロ)なので、彼らの悩みなどに真剣に向き合ったりします。
 私は虎徹というキャラクターの「父性的な優しさ」を取り出して、先生を作りました。彼は独身なので、父性を取り除き、どんな相手にも優しい設定にし、それに合うよう外見もふんわりとした雰囲気に変えました。
 人気のある物語やキャラクター、あるいは好きな物語やキャラクターをモデルにするのはありです。が、そのまま使うのは当然パクりですし、オリジナリティーがありません。
 なぜ人気があるのか、自分がどこに惹かれているのか、その「核」だけを取り出し、肉付けをしていけば、元がわからなくなるほどのオリジナルが生まれるのです。
 こうして人気のあるキャラクターをモデルに、人気のあるキャラクターを作ることができます。

 が、必ず成功するとも限りません。


『アルケミストの不思議な家』の博士も、先生で成功したので虎徹さんをモデルにしました。が、先生ほど人気がでませんでした……(>_<)
 変人設定や、優しさが「人」よりも「残った想い」に向けられるという、変化球過ぎた肉付けで「核」が埋もれちゃったかな……反省。
『魔法使いのハーブティー』ぐらい人気がでると思っていたのですが、続編が出せなく、月夜見の伏線が回収できないままなのが心の残りです。機会があればどこかで書きたいと思っています。

『お隣さんは小さな魔法使い』は『魔法使いのハーブティー』と世界が繋がっていて、ちょっとだけ先生も登場します。


 ここで紹介した三作品は全て、私が得意とする「ファンタジックだけどファンタジーではない」、非現実的なものは出てこないけれどちょっぴり不思議な作品です。
『魔法使いのハーブティー』を気に入っていただけた方なら、きっと好きになっていただけると思いますので、ぜひお手に取ってみてください。
 
 これからも頑張って素敵な物語を作っていきますので、どうぞよろしくお願いします。
 
 

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